巨匠書体デザイナー Adrian Frutiger 氏とライノタイプ社・タイプディレクター 小林章氏制作:新登場
書体デザイナーの Adrian Frutiger 氏といえば Univers や Frutiger などのサンセリフ書体のデザインで知られていますね。
まだまだ現役活躍中の Frutiger 氏、ここ数年の代表的な商品といえば、プラチナ製品 Avenir Next 、Frutiger™ Capitalis フォントもメールマガジンで紹介しているのでご存知の方が多いかと思います。今回もまた新しく誕生した Nami™ 書体をご紹介致します。
Desinged by Adrian Frutiger and Akira Kobayashi, 2006
Nami フォントの原型は、1980年代にフルティガー氏がライノタイプに提案していて保留になっていた2つの新書体でした。私が過去の書類の中からその2書体を見つけて、双方の良いところを合わせてひとつの新書体にすることを考えて、2005年にフルティガー氏と打ち合わせて制作に踏み切りました。数字や記号類などはフルティガー氏にスケッチを新たに描き起こしてもらったのですが、制作の途中の段階では、フルティガー氏の提案から新しい小文字のデザインなども生まれました。
Nami のデザイン的な特徴は、有機的で柔らかい曲線で構成されている点と、空間をゆったりとっている点ですが、それだけでなく、OpenType の利点を生かして小文字のうち数文字をオルタネート文字にとりかえて文章組の表情を変えることができるという新しい機能も備えています(その機能を活かすためには OpenType に対応したアプリケーションが必要です)。
一見普通のサンセリフ体ですが、よく見ると直線部分は少なく、大文字の水平線や垂直線にはごくわずかに「しなり」を持たせてあります。小文字 a, d, g などのデザインは、かなり単純化されているのに微妙な曲線でバランスをとっているので、単純化されたサンセリフにありがちな冷たく機械的な感じがありません。ほんわか暖かい、春の海のように穏やかなサンセリフ書体です。
アドリアン氏と章氏が書体について話をしている様子
デザイン段階のスケッチ
初期スケッチ
上記のようなアンシャル体を描いたスケッチ、最終的には使用されず。
(文章)ライノタイプ社・タイプディレクター小林章
Nami™ Light |
Nami™ Bold |
Nami is a trademark of Linotype GmbH and may be registered in certain jurisdictions.
*OT フォント必須環境:
Win XP 以上/ Mac X 以上/Adobe 系ソフト CS 以上
その他のアプリケーションにつきましては、各アプリケーション会社様へお問合せ下さい。
このページの top へ戻る